カフェだと気づかずに通り過ぎてしまう？

アーティストと流行りに敏感な若者が多く住む、ケルンのエーレンフェルド。

そこに位置する、シンプルなインテリアが特徴的なカフェがヴァン・ダイクだ。
店の前を通ると、そこがカフェだと気づかずに通り過ぎてしまいそうな内装は、元々ここにあった床屋さんの名残だそうだ。

ケルンに住んでいると、この小さなカフェの名前をどこかで目にせずにはいられない。それもそのはず、町中のレストランやカフェがここから自家焙煎のコーヒー豆を仕入れているため、この名前はドリンクメニューやらコーヒーカップのロゴとしてよく見かける。

2010年にオープンしたこのコーヒーがこれほど有名なのにはそれなりの理由がある。ケルン発祥のヴァン・ダイクの豆は、100％オーガニック、100％フェアトレードにこだわっている。そのため、ここからコーヒーを買うことだけで、地元の小さなビジネス、環境や、コーヒー農家の人たちへ対する社会貢献活動を支えることができるというのが嬉しい。

シンプルな店内には、コーヒー店で見かけるようなオーダーカウンターはなく、バリスタが入れたコーヒーを、すぐに隣で飲むことができる。「どうやったらコーヒーの苦みを抑えることができるか」「どの豆がエスプレッソに向いているか」など、気軽にコーヒーを知り尽くしたバリスタに質問ができる。

さらに、より多くの人がいいコーヒーを楽しめるようにと、ラテアートやおいしいコーヒーのいれ方を教えるクラスも定期的に開かれている。それだけではなく、クラスに参加することができない人の為に、ウェブサイト上でアロマの高いコーヒーの淹れ方から、コーヒーの淹れ方に合った豆の挽き方をビデオにて公開している。店内では本格的なコーヒー用品を購入することもでき、もちろんここでもバリスタに相談することができる。

カフェのお供に欠かせないスイーツは、コーヒーに合うシンプルで甘みの強くない美味しいケーキやクッキーが用意されている。短いメニューの中でも季節のフルーツを使ったものやグルテンフリーのアイテムなど、様々なスイーツを楽しむことができる。

長くゆったりと会話を楽しむのではなく、シンプルな空間でじっくりといいコーヒーを嗜む。そんな場所がヴァン・ダイクである。

Van Dyck（ヴァン・ダイク）